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噛むことの大切さ
噛むことには大切な役割がたくさんあります。このページでは歯並びやかみ合わせを治療することがどのような意味を持つのかを解説いたします。
歯の役割
歯の役割で一番大切なのは「かむ」ことです。歯はほかにも発音や発声に大きな役割を担っていますし、顔や口もとの表情を作るのにも重要な働きをしています。
ここでは、中でもとくに「かむ」ということの意味や重要性を考えて行きます。矯正治療を受けられる上で是非とも知っておいてほしいことですので、がんばって読んで下さい。
咀嚼という言葉
「かむ」ことを表す文字は「噛」「咬」「咀」「嚼」「昨」など、実にたくさんあります。上下の歯をぐっと合わせることから、専門用語では「咬合」と呼びます。また、食べ物をかみ砕く行為は「咀嚼」と呼びます。
咀嚼という行為は、日常では無意識のうちに行われています。これは大脳に組み込まれた「咀嚼運動」のプログラムによるもので、歯が生えた直後から行うことができます。咀嚼運動は、歩行、呼吸などと同じく、半ば無意識に行われるリズム運動です。もちろん意識的に動かすこともできますが、普段ものを食べているときに、あごをどういう風に動かしているか考えながら食べている人はいないですよね?歩くとき、いま右足が前なのか、重心が乗っているのはどちらの足なのか、そんな事を考えていたらかえってうまく歩けなさそうですよね。
このようなリズム運動は脳幹のニューロン集団が司っていて、大脳皮質からの指令や、知覚神経からのフィードバックによってコントロールされています。老化などでこの機能が低下すると、頬や舌をかんだり、食べ物を十分にかみ砕くことができなくなります。歯並びが悪いときも、場合によってはうまくコントロールが出来なくなることが知られています。
咀嚼の意義1 ~消化~
咀嚼の第一の意義は、食べ物の消化です。人間の胃は消化液で食べ物を溶かすことが出来ますが、鳥や牛のように胃で食べ物をすりつぶすことはできません。ですから、胃で消化しやすくするためには、歯でよくかみ砕いておく必要があります。こうすることで食片の表面積は大きくなり、消化液が十分に働くことができるようになります。
咀嚼は、唾液の分泌にも必要な役割を持っています。人間は一日に約1~1.5リットルの唾液を出しますが、咀嚼が十分に行われると唾液分泌が盛んになります。このとき出される唾液を「刺激唾液」と呼びます。この刺激唾液には、多くの酵素のほか、発ガン物質を抑える働きを示す「ペルオキシダーゼ」という物質も含まれています。また、咀嚼運動による神経への刺激は、一度脳へ伝えられたあと、胃に対して胃液の分泌を指令します。このようにして胃は十分な胃液を分泌し、消化運動を行うことができます。
咀嚼の意義2 ~あごや顔面の成長~
かむという動作は、上下のあごの骨や、顔面の骨の成長にとても大切な役割を果たすことがわかっています。
骨の主な成長パターンには、軟骨が主役になるものと、骨の継ぎ目で行われるものと、骨膜という骨の表面で行われるものの3種類があります。このうち、あとの2種類は外から受ける力の影響がかなりあることが分かっています。かむときの筋肉の力は非常に大きな力ですので、顔の形を作っていくうえで大きな役割を果たします。
生まれてすぐの赤ちゃんは、まだ歯が生えていませんが、母乳を吸うときに、やはり唇や頬、あごなど顔全体の筋肉を使います。そのため、顔面やあごの発達のためには、人工乳のみに頼らず、なるべく母乳で育てるのがよいということが分かっています。
咀嚼の意義 その3 ~肥満の防止~
よく咬むことは、肥満の防止にもつながります。炭水化物は、まず唾液中のアミラーゼで分解されますが、よくかむことでアミラーゼが作用しやすくなり、口のなかで糖に変化する量が増えます。舌で甘みを感じることや血糖値が上がることで、脳の満腹中枢がはたらき、食べ過ぎを防いでくれます。また、満腹中枢が機能するのにはすこし時間がかかるため、よくかまずに食べると早食いのような状態になるため、満腹中枢が働いたときにはすでに食べすぎの状態になってしまいます。
また、1984年にルブランクが行った研究によりますと、同じカロリーの食物でも、直接胃へチューブで送った場合と、良くかんで摂取した場合では、その後のカロリー消費が異なるということが示されています。よくかんで食べた場合は、カロリーはすぐに体温としてどんどん放散して行きます。これを食事による体熱放散といいます。この放散はチューブで飲み込んだ場合とくらべて、よく咬んだ場合では約3倍も大きいことがわかりました。この体熱放散の仕組みは自律神経が大きく関与しているため、よくかんで食べることが自律神経の調節にも一役買っているともいえそうです。
現代人はあまり硬いものを食べず、柔らかいものを好む傾向があります。このため、かまずに飲み込む習慣がつきがちなようです。これが現代人に肥満が多くなっている原因の1つと考えられます。
咀嚼の意義 その4 ~虫歯の予防~
実は、良くかんでいるだけで、歯の表面がきれいに清浄される働きがあるのです。
歯の表面には、咀嚼するときに食べ物が自然に流れるような形が備わっています。食事中に出てくる唾液の中にはリゾチーム、ラクトフェリンという物質が含まれていて、これらには虫歯の原因となる細菌が繁殖するのを抑える作用があります。また、唾液自身にも口の中をきれいに洗い流す効果があります。
咀嚼の意義 その5 ~脳細胞の活性化~
食べ物をかむという動作は、脳を刺激し活性化させることがわかっています。咀嚼や嚥下(飲み込む動作)運動は、咬筋というあごを閉じるための筋肉をはじめとして、頬や唇、舌、のどなど多くの筋肉が協調することで行われます。これらの運動は、大脳皮質の非常に広い範囲の細胞が関与しています。咀嚼によって広範囲の脳細胞が活性化されるため、脳の発達や、老化の防止に効果があることが考えられます。
また、咀嚼を行うとき筋肉は大変強い力を発揮し、場合によっては自分の体重に匹敵するくらいの力が生じます。この力は頭がい骨にも伝わり、脳に作用して脳血流量が増加することが知られています。
このように脳の活性化においても咀嚼はたいへん重要な働きをしています。
咀嚼にまつわる色々なうわさ
ほかにも、かみあわせについては全身との関係、たとえば血圧の安定や肩こり・腰痛にまで影響を及ぼすというような話も耳にします。しかし、その中には科学的な根拠に乏しいものや、やや疑わしいものも混ざっているようです。
とはいえ、多くの人がかむことの重要性に気づき、興味を持ちはじめているのは間違いないことだと思います。
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年(通院回数:18回~36回程度)を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年(通院回数:12回~24回程度)、永久歯がすべて生えそろった後に行なう第2期治療で1~2年半(通院回数:12回~18回程度)を要することがあります。
- ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- ・装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ・装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- ・顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- ・治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
- ・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
- ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
- ・症状によっては、マウスピース型装置で治療できないことがあります。
- ・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
- ・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
- ・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- ・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
- ・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
- ・お口の状態によっては、マウスピース型装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
- ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
- ・インビザラインは薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
当院でご提供している「マウスピース型装置(インビザライン)」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2024年8月29日最終確認)。
○入手経路等インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2024年8月29日最終確認)。
○諸外国における安全性等にかかわる情報現在世界100カ国以上で提供され、これまでに900万人を超える患者さまが治療を受けられています(2020年10月時点)。情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。
- ・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器であり、マウスピース型装置(インビザライン)による治療を行なう工程で使用する機器となります。
- ・iTero(3D口腔内スキャナー)を使用して行なうマウスピース型装置(インビザライン)による治療は、自費診療(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。
- ・印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。