矯正の後戻りに関して｜矯正歯科コラム

矯正治療は歯に力を加えて徐々に移動させることで歯の位置関係を変えていきます。
本来生えた位置から別の位置に変え、新たな位置に歯を安定させるためには歯の根っこまでしっかり移動させなければなりません。その歯の根っこが移動するには長い期間が必要となり、さらに移動後の場所で歯の周囲組織をつくりかえるにも時間がかかります。

そのため、矯正装置を外した後の歯には元の位置に戻ろうとする力が一定期間かかります。そのためリテーナーを使用して後戻りを防ぐ必要があり、少なくとも2年は使用していただく必要があります。

リテーナーは取り外しが可能となっていますが、矯正装置を外した直後は歯が元の位置にに戻ろうとする力が強いため、食事や歯磨き以外の時間は一日中着用しておくことが大切です。この段階で着用をやめてしまうと、大きく後戻りしてしまう可能性があるのでしっかり着用しておきましょう。
初めの1年ほどは常につけている必要がありますが、2年目からは様子を見て家の中だけの着用へと時間を減らしていきます。ただし、睡眠時には必ず着用するようにお願いしています。

3年目以降は患者様の任意で着脱していただいて問題ありませんが、睡眠時には続けてリテーナーの着用をお勧めしています。
後戻りのしやすさは元の歯並びや習癖も関係してくるので、それに伴って保定期間も異なる場合があることをご理解ください。